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第三話 切なき別れ

Penulis: スナオ
last update Terakhir Diperbarui: 2025-03-27 09:22:39

 それからというもの、司は毎日のように桜の下へ通った。

 そしていろんなことを話した。

 司の通う大学のこと。

 おいしい菓子のこと。

 遠い異国の地のこと。

 司が旅をした街のこと。

 どんな話をしても、桜はいつも楽しそうにしてくれた。

 それがうれしくて司はいろいろな話をした。

 そうしている内に季節は移ろい、桜が散り始めた頃。

 その日桜はどこか上の空だった。

 司の話は聞いているようだったが、いつものように楽し気でかわいらしい笑みを浮かべてはくれなかった。

 それが気になって、司は尋ねた。

「その、どうかしましたか? なんだか元気がないようですが?」

「いえ、その……」

 桜は何かを迷うように言いよどみ、司の目を見ないまま告げた。

「司様」

「なんですか?」

「もうここへは来ないでください」

「え? どうして……」

「ここへ来ても、もう会えないでしょうから」

「なぜ」そう問いかけようとした司の目の前で驚くべきことが起こった。

 桜の身体が半透明になり、後ろの景色が透けて見えたのだ。

「これは、どういう……」

「さようなら。司様。楽しい日々をありがとう」

 消えていく桜を捕まえようと、司は腕を伸ばした。しかしその腕はただ虚空を掴んだだけだった……。

◆◆◆

 桜が突然消えてしまった次の日。

 司は再び桜の大木の下を訪れた。

 しかしそこに桜の姿はなく、美しかった桜もすっかり散ってしまっていた。

 司の胸がぎゅっと締め付けられた。

(もう桜には会えないのだろうか?)

 司は痛む自身の胸を左手で強く掴んだ。

そして透き通るような青空を見上げた。

 まるで何かを誓うように……。

◆◆◆

 それからも毎日、司は桜の大木の下を訪れた。

しかし桜と会うことはできなかった。

それでも、それでも毎日通い続けた。

 雨の降りしきる梅雨の日も。

 太陽の照り付ける夏の日も。

 木々を揺らす嵐の日も。

 切なさを誘う秋の日も。

 雪積もる冬の日も。

 そして桜のつぼみが芽吹いた新春の日も。

 毎日、毎日通い詰めた。

 そんなある日、司の研究が認められる日が来た。

研究の内容は「愛の比較研究――日本と西洋の違い」だった。

司はそのことを報告するため、桜の大木の下を訪れた。

もちろんそこに、桜の姿はなかった。それでも司は報告したかった。

「桜さん。ようやく僕の研究が認められました。全部、あなたのおかげです。あなたに出逢えたから、僕は本当の愛を知ることができました」

 司ははにかむように笑いながら、そう告げた。

しかしその表情は徐々に崩れていった。

「桜さん……。あなたに、遭いたい」

 司の双眸から、涙が雫となって零れ、桜の大木の根元を濡らした。

そのとき、奇跡のようなことが起こった。

桜の大木に息づいていた蕾が静かに開いたかと思うと、小さな光の粒子が司の周りを包み込んだ。

『司様』

 どこからか声が聞こえる。

『司様!』

 今度はよりはっきり聞こえた。

 思わぬ光に閉じていた瞼を開いた先には、司の会いたかった女性がいた。

天女のように美しく、儚い女性が。

「司様。お久しぶりです」

「桜!」

 思わずそう叫んだ司は、桜に腕を伸ばした。その腕は虚空を掴むことはなく、彼女自身を胸に抱くことができた。

そこにはあたたかなぬくもりがあった。

桜は抵抗することもなく、司の背中に腕を回すとそっと瞳を閉じた。

「ありがとう。司様。あなたがわたくしをずっと覚えていてくれたから、こうしてまたお会いすることができました」

「桜、会いたかった」

「わたくしもです」

 静かに見つめあった二人の影は、ゆっくりと一つに重なった。

最終話 季節はまた巡る

 そして季節は巡った。

夏が来て、

秋が来て、

冬が来て、

司と桜が出逢ってから何度目かの春が来た。あれから学者として大成した司はいろいろな国を巡っていた。

イギリス。

フランス。

イタリア。

しかし春になると彼は必ず日本に帰って来た。

いろいろな国の話を〝彼女〟に聞かせるために。

 その日も彼は春の陽だまりの中、縁側でとある国の話をしていた。

茶色い着物に黒の羽織を着た司の眼前には、あの桜の大木から植樹した小さな桜の木があった。

そして彼の隣には、薄紅色の着物を着た天女のように美しい女性がいた。

「イギリスの大学で出会った教授がまたおもしろくてね」

「まあ、そうなのですか?」

 二人はとても楽しそうに話をしていた。

あの日、司は桜という女性が春の間しか姿をみせられないことを知った。

それでも彼は、彼女と一緒にいたいと願った。

ゆえに司はそれからも毎日桜の大木の下に通い詰めた。

そして春の間は毎日桜と会った。

それ以外の季節も欠かさず通った。

そして彼が学問で食べていけるようになったとき、一軒の古い家を買った。

そしてその庭に、あの桜の大木の枝を植えたのだ。

その枝は驚くべき速さで成長し、次の春には美しい薄紅色の花を咲かせる木となった。

 そして桜は、司の家に姿を現すことができるようになった。

そうして二人の同棲生活は始まった。

朝は一緒に起きて、

一緒に料理をして、

一緒に食事をして、

夕方には辺りを散歩して、

幸せだった。

例え春にしか会えないのだとしても。

 幸せだった。

「なあ、桜」

「なんですか? 司様」

「愛しているぞ」

「わたくしもです」

 愛を確かめ合った二人は静かに微笑みあった。

そんな春の日々は、あたたかいひだまりのなか、おだやかにすぎていった。

◆◆◆

 やがて時は流れ、いくつもの季節が巡り、司は重い病の床にあった。

部屋に敷かれた布団に横たわった姿は年老い、やせ細っていた。

そんな司を見守る桜は、昔と変わらず、ただただ美しかった。

「桜……」

「なんですか? 司様」

「お前は変わらず美しいな」

「ありがとうございます」

「ふふ……。なあ、桜」

「はい?」

「僕は幸せだったぞ」

「わたくしもですよ」

「そうか、それはよかった……」

 司は瞳を閉じ、桜と出逢ってからの日々を思い出した。

そして静かに息を引き取った。

「司、様……」

 桜は物言わぬ骸と化した司の唇に、そっと自身の唇を落とした。

「またいつか、お会いしましょう」

 そう言い残して桜は、春風に舞う花びらとなった。

◆◆◆

 そして時は流れ、世は令和の時代となった。

そして一人の少年が庭に咲く一本の桜の大木の前で、美しい女性と出逢った。

女性は少年の存在に気付くと、吹いていた笛から口を離し、優しく微笑んだ。

「またお逢いできましたね。……司様」

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